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LGエレクトロニクス、Applied Intuitionと提携し、自律型移動ロボット用カメラシステムを合成データで訓練へ

Applied IntuitionとLGエレクトロニクスは、合成トレーニングデータによる自律移動ロボット(AMR)用カメラシステムの開発を加速させるために提携します。
April 12, 2023

Applied IntuitionとLGエレクトロニクスは、合成トレーニングデータによる自律移動ロボット(AMR)用カメラシステムの開発を加速させるために提携しました。

LGは、家電製品、電子製品、自動車部品など、さまざまな分野で技術革新を行うグローバルリーダーです。同社のAdvanced Robotics Labでは、屋内外のユースケースに対応したAMRの開発を行っています。Appliedは、自律型システムを安全に開発、テスト、大規模展開するためのソフトウェアソリューションを提供しています。LGのAdvanced Robotics Labは、Applied Intuition のSynthetic Datasetsを使用してコンピュータビジョンのアルゴリズムを開発しテストしています。

Applied IntuitionのCEO兼共同創業者であるQasar Younisは、「LGはテクノロジー業界で最も有名なイノベーターの1つです」と述べています。「同社のAdvanced Robotics Labは、認識アルゴリズムのトレーニングを成功させるための合成データの重要性を認識しています。我々は、より迅速で費用対効果の高いカメラシステム開発を促進するために、このチームと協力できることを誇りに思います。」

都市部の屋外シーンの合成カメラ画像(左)と深度画像(右)。

実世界のトレーニングデータでの課題

AMRの認識システム用の機械学習(ML)アルゴリズムは、本番環境に導入するのに十分な性能を発揮する前に、大量の多様なラベル付きデータで訓練とテストを行う必要があります。このトレーニングデータを実世界で収集することは、多くの場合、時間やコストがかかり、危険でもあります。

学習データのラベル付けは、特に高品質のグランドトゥルースデータを得ることができない場合に、課題をもたらすことがあります。カメラ画像の深度ラベルとオプティカルフローラベルは、一般的にLiDARセンサーを使用して推定されますが、高品質のグランドトゥルースを得ることが困難な2つの例であります。LiDARの点群は、対応するカメラ画像よりも密度が低いため、一部のカメラピクセルの深度やオプティカルフローの値が欠落した疎な推定グランドトゥルースデータとなるのが普通です。このような疎なグランドトゥルースを学習で使用すると、MLモデルの利点が減少してしまいます。

実世界のデータを補完する合成トレーニングデータ

合成トレーニングデータは、実世界のデータ収集とラベリングにおける課題を解決するのに役立ちます。合成データは、実世界で収集されるのではなく、センサーシミュレーションによって生成されます。シミュレーションでは、シーンの内容、天候、照明などを決定論的に制御することができます。そのため、モデルのトレーニングに必要な正確なデータとラベルを定義し、取得することが容易になります。認識モデルをトレーニングする際、MLエンジニアは合成データと実データを組み合わせることで、より早く、より低コストで自律型システムを改善することができます。

LGによるAppliedの合成データセットの使用

Applied IntuitionのSynthetic Datasetは、MLアルゴリズム開発のためのラベル付きデータセットです。LGはSynthetic Datasetsを使用して、ステレオビジョンアルゴリズムをトレーニングするために、ピクセル単位の深度とステレオ視差のグランドトゥルースを高精度で取得しています。このグランドトゥルースデータにより、LGは、より安全なAMRの開発、テスト、デプロイを、従来よりも迅速に行うことができます。