エージェント時代のエンジニア採用
エンジニアリングは変化し、そして今、我々の面接プロセスも変わりました。
AI ツールは多くの職種、特にソフトウェア エンジニアリングのあり方を根本から変えてきました。そして、その変化は今も続いています。Python の zip がリストを返すのかジェネレーターを返すのかを覚えておいたり、財務チーム向けの新しいフルスタック ダッシュボード アプリを構築するために、エンジニアのチームを編成したりする時代は終わりました。
Applied Intuition では、AI コーディング エージェントを活用するため、組織全体の働き方を大胆に見直しました。現在では、エンジニアかどうかを問わず、全員が日常的に AI を活用し、エージェント型ワークフローの最適化に毎週専用の時間を充てています。
しかし、こうした社内の変化とは裏腹に、採用面接では、Applied Intuition が AI を積極的に活用する企業へと変化していることを候補者に十分伝えられていませんでした。つい最近まで、我々のエンジニア採用面接は、AI を使用しないコーディングとホワイトボード形式の課題のみで構成されていたためです。業界で長年にわたり実績を積んできた手法ではあるものの、明らかに別の時代を前提として設計されたものです。フィジカル AI の最前線に立つ企業として、我々は今の時代に即した方法でエンジニアを評価する必要がありました。
1,000 人を超えるエンジニアを擁し、今なお成長を続ける企業にとって、採用方法の見直しは決して軽々しく進められるものではありません。LeetCode 形式の面接については豊富な知見が蓄積されている一方、AI が広く普及した今、エンジニア採用面接をどう再設計すべきかについては、まだ確立された方法がなく、手探りの状態です。今回の刷新を進めるにあたり、我々が特に重視したのは次の点です。
他社でも、さまざまな形で面接プロセスへの AI 導入を模索していますが、我々は上記の基本方針を踏まえ、最終的に次の形式を採用しました。
現在のオンサイト面接では、まず45分間のシステム設計課題に取り組みます。候補者には、Applied Intuition が実際に直面した課題をもとにした自由度の高い問題を提示し、どのような解決策を設計するかを説明してもらいます。
続いて、任意の AI モデルとフレームワークを使い、自ら設計したシステムの実動プロトタイプを2時間で構築します。そして最後に、エンジニアで構成されるパネルの前でプロトタイプを実演し、構築した内容や判断の背景、改善するとしたらどこを変えるかを共有します。
新しい形式を試すため、実際の候補者を対象に30件を超えるオンサイト面接を実施しました。その試行には、前世代の面接課題を作成したメンバーを含め、新形式に特に懐疑的だったシニア エンジニアも社内各部門から参加しています。
大きな変化にはつきものですが、当初は建設的な批判も寄せられ、その意見は新形式をより効果的なものへと改善するうえで大いに役立ちました。また、面接を重ねるほど、その価値を実感する人が増えていることも分かってきています。
この面接形式は候補者と面接官の双方にとって新しいため、候補者にとっても良い面接体験になるよう常に意識してきました。そこで、候補者の評価シートや採用パイプラインのデータを追跡するとともに、新形式について面接官からフィードバックを集めています。
初期データからは、新しい形式によって候補者をより深く理解できることが見えてきました。最初の30人を対象とした試行では、15人の面接官から数十件の回答が寄せられ、そのうち86%が、候補者が Applied Intuition でどのように働けるかを以前より見極めやすくなったと回答。85%が従来の形式より優れていると評価し、91%が候補者に対する評価により自信を持てるようになったと答えました。さらに、99%がこの形式の継続を支持しています。
“よくある LeetCode の問題とは違い、とても新鮮で、はるかに良い面接だと感じました。Applied Intuition が最先端の取り組みを進める企業であることが伝わり、入社後にどのような仕事をするのかも具体的にイメージできました。この面接形式は、私が入社を決めた大きな理由の一つです」 ”
— 新形式で採用された社員
さらに、採用時に重視する各項目について、候補者をどの程度自信を持って評価できたかを、面接官に1から5の尺度で回答してもらいました。7項目のうち6項目で平均4.0から4.7を記録し、実践的なスキル、未知の課題への対応力、技術的なコミュニケーション、論理的思考、技術力については、新しい形式で明確に見極められることが分かりました。
一方、予想どおり評価が大きく低かったのは、コードの洗練度と設計力です。これらについては、引き続き電話での技術面接を通じて見極めていく方針です。
候補者と面接官の双方から、この形式の有効性を示す手応えが得られたため、現在は全社への展開を進めています。
従来の面接形式では、十分な数の課題を揃えるまでに何年もの時間を要しました。AI を活用する新しい面接に向けて、今度は新たな課題群を一から構築する必要があります。しかし、エンジニアから新しい課題が自主的に集まるのを待っていては、日々の業務が優先され、なかなか前に進まないことは明らかです。そこで、試行で生まれた勢いを活かし、新しい面接形式の正式導入に踏み切りました。幸い、エンジニアからも新しい面接課題が次々と寄せられました。フィジカル AI の領域には、複雑で難しい課題が尽きることなく存在します。実際に解決した課題は、現場の仕事をよく反映した面接課題としてそのまま活かせます。
新形式への移行からわずか1か月で、すでに多くの新しい課題が承認され、さらに多くの課題が開発中です。その数は今も毎週増え続けており、課題のラインナップが充実し、新形式を担当する面接官も増えるなか、もう一つの利点も見えてきました。この面接形式は直感的で実際の業務にも近いため、面接官は短期間で進め方を身につけ、すぐに候補者を評価できるようになります。
試行を通じて、この形式を数百人の面接官に展開するには、十分な理解を得ることと、運用方法を標準化することが欠かせないと分かりました。そこで、これまでの議論や学び、データ、よくある課題を一つにまとめ、展開を支援する社内アプリを開発しました。
その開発に活用したのが、社員全員が利用でき、完全に動作するバイブ コーディング アプリを1分以内に立ち上げられる社内ツール「Apps Platform」です。このプラットフォームを使い、試行データとトレーニング資料を一か所で確認できるポータルを構築しました。

新しい課題を増やし、面接官のトレーニングを進めるなかでも、継続的にフィードバックを集め、面接形式の改善を重ねています。この取り組みはまだ始まったばかりであり、AI ラボから新しいモデルがリリースされるたびに、候補者が AI を使ってできることも大きく変わります。そのため、面接が我々の基本方針に沿って機能しているかを常に見直し、必要に応じて調整していかなければなりません。
Applied Intuition で働くことにご興味のある方は、ぜひ採用情報ページ をご覧ください。
ソフトウェア エンジニア
Applied Intuition のソフトウェア エンジニア。安全な自動運転システムの実現に取り組む。カリフォルニア大学バークレー校 (UC Berkeley) にて電気工学およびコンピューター サイエンスの修士号を取得。修士論文では、自動運転車輌のシミュレーションに基づく検証をテーマとした。Google と Tesla Autopilot での勤務経験を持つ。