フィジカル AI 開発に新たなアプローチをもたらす Dana を発表
Applied Intuition のエージェント型プラットフォームは、マシンの学習と進化を促し、実世界への展開までの時間を大幅に短縮します。
産業界は今、インテリジェント マシンの新時代を迎えようとしています。
自律走行する乗用車やトラック。自律稼働する建設機械。継続的に学習するロボット。状況に応じて群れで動くドローン。そして、日々進化を続ける鉱山、港湾、工場。
しかし、これまでにない規模でインテリジェント マシンを安全に展開するには、どうすればよいのでしょうか。
現在、その妨げとなっているのが開発スタックです。データは複数のシステムに分散し、シミュレーション、トレーニング、検証はそれぞれ異なる環境で行われることが少なくありません。そのため、エンジニアリング チームはレガシーツールを行き来せざるを得ず、工程をまたぐ過程で重要な背景情報が失われます。また、長年の開発を通じて蓄積された知見も、一部の担当者だけが持つノウハウとなり、組織全体に展開することが困難です。
我々は、この状況を変えるために取り組んできました。
そして誕生したのが、Dana です。
Dana は、フィジカル AI アプリケーションを開発するための Applied Intuition のエージェント型プラットフォームです。物理世界で稼働する、インテリジェントでセーフティクリティカルなマシンの開発と展開に伴う複雑さに対応するために設計されています。
我々にとって、Dana は単なる新製品ではありません。フィジカル AI アプリケーションを大規模に展開可能な形で開発するための新たなアプローチであり、海から宇宙に至るまで、インテリジェント マシンの開発を加速し、人々の暮らしをより安全で生産的なものにします。
「エージェントはデジタル世界を一変させました。今、我々はその変革を物理世界にもたらそうとしています」と、Applied Intuition の共同創業者兼 CEO、Qasar Younis は言います。「Dana は、10 億台のマシンにインテリジェンスをもたらす画期的な新プラットフォームです」
Dana の最大の強みは、プラットフォームに組み込まれたインテリジェンスです。
Applied Intuition は 2017 年以来、世界有数の OEM や自動運転システム開発企業とともに、フィジカル AI における極めて困難な課題に取り組んできました。Dana は、そこで培った深い専門知識を、インテリジェント エージェントとワークフローを通じて単一のインターフェース上に提供します。
開発チームは、自然言語、API、SDK、カスタム アプリケーション、組み込みインターフェースから Dana にアクセスします。また、Slack や Jira などの企業向けシステムやコラボレーション ツールとの連携にも対応しています。こうした機能を一つのプラットフォームに統合することで、インテリジェントでセーフティ クリティカルなマシンの開発と展開を大幅に加速します。
Dana が開発チームに提供するのは、構想から本番環境への展開までを短期間で進めるためのエージェント型プラットフォームです。
「Dana は、既存製品に AI を追加しただけのものではありません」と、Applied Intuition の共同創業者兼 CTO、Peter Ludwig は言います。「我々がこの 10 年で構築してきたインフラ、ツール、ワークフロー、そして蓄積してきた知見を、エージェントが活用できる形にしました。これにより Dana は、実際のフィジカル AI の課題をより迅速かつ正確に解決するために必要な文脈と機能を備え、さまざまな産業におけるインテリジェント マシンの可能性を、これまでにない形で広げます」
Applied Intuition は昨年から Dana を社内で活用し、自動車、トラック、鉱業、農業分野の長年にわたる顧客向けに、同プラットフォーム上でソリューションを構築し、提供してきました。Dana のエージェント主導型ワークフローにより、車両開発の重要な工程に要する期間を数か月から数日にまで短縮した事例もあります。Applied Intuitionは、いすゞ自動車を含む一部の顧客に対し、限定的な早期アクセス権を提供しています。いすゞ自動車は、同社の商用トラックフリートにおけるレベル4自動運転の実現を加速させるために、このプラットフォームを活用しています。
「Dana によって、複雑なエンジニアリングワークフローの効率化と開発の迅速化が可能になることに感銘を受けています」と、いすゞ自動車株式会社 Director の矢澤康宏は述べています。
「Dana により、当社のエンジニアリングチームは、安全な自動運転技術の開発・管理・導入を、これまで以上に迅速かつ自信を持って進めることができます」
早期アクセスを利用しているもう1つの顧客は、建設、鉱業、林業向け重機の大手メーカーであるコマツです。
「次世代の鉱山機械およびソリューションを支えるデジタル機能の向上を続ける中で、Applied Intuitionは貴重な技術パートナーとなっています」と、コマツマイニング株式会社社長兼 CEO である Peter Salditt 氏は述べています。「Danaはさらなる前進を意味し、当社のエンジニアリングワークフローにインテリジェントなエージェント機能をもたらすことで、チームがより迅速にイノベーションを起こし、効率を向上させ、最終的にはお客様の事業により大きな価値を創出するのに役立ちます」
Applied Intuition では、開発に何年も要した複雑な製品やアプリケーションの機能を、はるかに少ないコードで再現しています。数か月を要していた作業は、数週間、場合によっては数日にまで短縮されました。開発サイクルは 20 倍高速になり、成果物の品質も向上しています。エンジニアによるデプロイの頻度も、数週間に 1 回から、平均して 1 日 5〜10 回へと増加しました。
その中でも最も意欲的な取り組みが、我々が長年にわたり開発と改良を重ねてきた自動運転ツール プラットフォームです。Dana を活用して中核機能の大部分を 6 か月で再構築し、エージェント型の機能を備えたプラットフォームへと進化させました。
エンドツーエンドの自動運転システムを開発するうえで不可欠なのが、実運用レベルのフライホイールの構築です。これは、膨大な実世界のセンサー データと合成センサー データを、より優れたモデルへ、そして最終的にはより安全なシステムへと継続的に変換するパイプラインです。
このフライホイールの構築は極めて難しく、データ、シミュレーション、トレーニング、推論、評価、車載ソフトウェア、クラウド インフラ、展開にわたる深い専門知識が求められます。大規模なチームであっても、基盤となるシステムの構築に何年もかかり、本格的な改善に着手するまでに長い時間を要することがあります。
Dana は、これらの機能をデータ、ワークフロー、インサイトという 3 つの中核ステージに統合します。
開発チームはフィジカル AI のための Dana を活用し、実運用に対応したセンサー データへのアクセスと整理に加え、自社データの取り込みと検証も行えます。さらに、膨大なデータセットから、対象となるイベント、地図上の位置、データ品質指標に基づいて必要なデータを抽出し、トレーニング、推論、シミュレーションに利用できる形へと整えます。
さらに、Dana は数千、さらには数百万件のジョブにまたがる複雑なワークフローをオーケストレーションします。開発チームは、自動運転モデルによる推論に加え、オープンループ リプレイを用いたリグレッション評価、クローズドループ ニューラル シミュレーションに向けた実世界のシーンの再構築、強化学習エージェントによる敵対的な挙動の生成、世界モデルを用いた天候、照明、環境条件のバリエーション生成などを行えます。
すべての結果は追跡可能で、ワークフロー全体にわたる完全なデータ系譜が保持されます。
Dana は、それらの結果を共通のメトリクスおよび分析レイヤーに統合します。開発チームは、数千件の実行結果を手作業で確認する代わりに、セーフティクリティカルな指標に基づいて自動運転ソフトウェアを比較し、ダッシュボードの生成、結果の照会、故障の特定を行います。さらに、専用エージェントを活用して、次に取るべき対応を判断できます。
つまり、Dana はフライホイールを回し続け、その一巡ごとにシステムの学習を前進させます。
「真のブレークスルーは、この継続的な開発ループにあります」と Ludwig は言います。「Dana は、データからシミュレーション、評価へと文脈を引き継ぎ、その結果を次のサイクルへと戻します。一つひとつの実行から得られた情報が次の改善につながる一方で、セーフティクリティカルな開発に求められる追跡可能性と厳密性も維持されます」
この点で、Dana は汎用 AI アシスタントの枠を超えています。最先端のモデルと、それらをフィジカル AI に活用するために必要なツール、インフラ、データ、専門知識を一つに統合したプラットフォームです。
同じ考え方は、AI デファインド ビークルの開発をはじめとする、ほかのフィジカル AI アプリケーションにも当てはまります。
一見シンプルに思える、乗用車向けのパーソナライズされたウェルカム ライティング シーケンスを例に考えてみましょう。現在、この機能を変更するには、要件、アーキテクチャ、コード、複数の ECU、シミュレーション、ハードウェア、そして車両そのものにまたがる対応が必要になることがあります。
Dana は、その一連のプロセスを単一のワークフローとしてつなぎます。
要件の読み取りと評価から、ソフトウェア アーキテクチャ全体を踏まえた推論、再現可能なクラウド環境でのコード作業、ソフトウェア イン ザ ループ環境およびハードウェア イン ザ ループ環境での変更検証までを担い、最終的にはそのソフトウェアを実車でテストします。
さらに重要なのは、Dana がプロセス全体を通じて文脈を維持できる点です。これまで分断されたツールや専門チームをまたぎ、数か月を要していた作業も、場合によっては 1 人の開発者、システム エンジニア、プロダクト マネージャーが半日で完了できるようになります。
「我々はこの 10 年、世界でも有数の先進的なエンジニアリング組織とともに、フィジカル AI を支えるインフラを構築してきました」と Younis は言います。「Dana は、その経験を大規模に展開可能なプラットフォームへと昇華させます」
Dana は、我々がこれまでに開発してきた中でも、最も意欲的な製品の一つです。
特定のアプリケーションや産業だけを対象とするのではなく、あらゆる用途や産業を見据えて設計されています。乗用車やトラック向けエンドツーエンド自動運転システムの開発と検証、自動運転フリートの構築と運用、ソフトウェア デファインド ビークル開発の加速、産業施設におけるロボットのオーケストレーション、さらには鉱山や港湾をはじめとする複雑な環境向けオペレーティング システムの開発まで、幅広い用途に活用できます。
今後数週間から数か月にわたり、自動運転、ビーグルソフトウェア開発、フリート運用をはじめ、さまざまな分野で Dana が実現する可能性を順次ご紹介していきます。
今後 10 年で、インテリジェンスは車両、ロボット、産業機器、工場をはじめ、物理世界で稼働するあらゆるマシンに組み込まれていきます。そして、こうしたシステムの能力が高まるにつれ、課題の中心はインテリジェンスを生み出すことから、それを安全かつ確実に大規模展開することへと移っていくでしょう。
Dana は、まさにその未来のために開発されました。
Dana は、AI の進化に対応するスピードでフィジカル AI を開発する、新たなアプローチです。
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